DEBの山日記は30回を数え内容を変更しました。文章は簡単に写真を多くして見やすいページにしました。担当者も高齢化とともに低山歩きが主となり、名称も[山ある記]と簡潔に改めて、名称も[山ある記]と簡潔に改めて、タウンウオークなども範疇に入れました。
写真もデジカメ画像になりますが、これからもお楽しみください。






「山ある記」 第33回










   尾瀬ひうち裏林道 【その2】

   '03(H15)7.12(土)小雨のち晴





 (前回からの続きです)

 小屋の混雑は毎度の事でしたが今回は違いました。一行4名で1室となり快眠をむさぼる事が出来ました。明ければ霧雨が幻想的な風景を見せ、朝霧晴れるの予測が当たるのを祈ります。

 東電小屋付近はニッコウキスゲが多いので知られますが、まだ少し早いようです。雨に濡れた花びらは清楚で艶やかで、水芭蕉と共に人気があるのが分かります。

 ニッコウキスゲはまだつぼみのものが多く、咲いて散ったような様子もありません。あと1週間あとが良い頃でしょう。

 ミズギボウシがありました。大江湿原や山の鼻で群落を見ますが、この辺りでは1〜2株見かける程度です。

 ヨッピから中田代へ向かうと池塘が目立つようになりました。昔、浮島の上に乗って船のように竿を差している写真を見た事があります。厳禁ですが多分これも動くでしょう。

 尾瀬ヶ原の中央を抜ける木道と違い、ヨッピからの木道は人影もなく静かです。雲の陰が原の上を流れて、薄日も時折差してきます。

 雲が急ぎ至仏山が見え隠れしています。これから竜宮を見学してから尾瀬沼東岸へ出て、白砂峠を越え、沼山へ抜ける予定です。

 竜宮の近くにある竜宮小屋、林の中に見えますか。尾瀬ヶ原を縦断する人も、富士見峠を越える人もヨッピからの人もここを通ります。

 竜宮で休憩し十字路へ向かいます。十字路付近は花の種類も多く写真には写っていませんが、ニッコウキスゲばかりか、トキソウ、サワラン、タテヤマリンドウ、モウセンゴケ、カキツバタなどが見られます。少し早ければまだまだ数え切れない花の宝庫です。

 水の多い尾瀬もやがては戦場ヶ原のような乾いた原になるそうです。戦場ヶ原はまだ湿っている部分もありますが、昔は半湿地の上を歩いたり、撮影会を開いたりあまり大切にしていなかったようです。

 茂みの中に石楠花が咲いていました。何度も来るとどこに何の花が咲いているか覚えてしまいます。この石楠花も何年も前からここにあります。

 尾瀬沼に到着、この辺は沼尻(ぬしり)と云っていましたが、今はぬまじりと読んでいます。もうぬしりも遠くなりました。休憩所がありコーヒーも食事もシーズン中ならOKです。

 岸辺からやや離れて尾瀬沼の北岸を行きます。6月にはこの辺りの水辺には紫色のサワギキョウが咲きそろい、見事な景観をつくります。

 キジムシロかリュウキンカなのか黄色い高山植物が咲いていました。水芭蕉はもう終わったいますので多分、キジムシロの方かと思います。

 金平糖のような可愛いブルーの花はタテヤマリンドウ、この辺でも多くみかけました。今日の天候はまあまあで、花は太陽に向かって咲き競っているようです。

 長蔵小屋の名物は玄関前の名水と、傍らに咲くヒメサユリです。疲れてあごを出した時も、雨でコートが濡れているときも、カメラをリュックから出して撮りたくなるのがこの花です。こんな清楚な山の乙女が小屋にいるかも知れません。

 ニッコウキスゲの大群落が目に入るともう大江湿原です、中田代に負けない花の湿原です。ここはミズギボウシも多く、またショウジョウバカマが大群落をつくる時期に訪れたこともありました。

 大江湿原の後方に見えるのは至仏山(しぶつさん)と並ぶ尾瀬の明峰、ひうちが岳です。ともに高山植物の宝庫として親しまれていますが、至仏山の女性的な稜線に比べると、荒々しい山相のひうちは頂上直下など1ランク上の登山技術を要します。

 尾瀬で良く見る植物にワタスゲがあります。穂がひとつなのでワタスゲでしょう。二つに枝分かれしているのがサギスゲだそうです。白い穂が原いっぱいに揺れている光景は固唾を飲んでしまいます。

 帰りの道は林の中の暗い登りです。沼山峠からの展望はほとんどありません。山道にかかる前に名残を惜しみます。ゴミもまとめて思い出とともに持ち帰ります。

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近年、交通網が発達しアプローチが便利になりました。また登山道の整備も
進んでいますので、地図など新しい情報の物をお求めになりご使用下さい。


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